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【スキンケアの基本】まずは保湿が大切 水分を保持するメカニズム

time 2016/11/09

【スキンケアの基本】まずは保湿が大切 水分を保持するメカニズム

 

美しい肌の要素として、『うるおい』は欠かせないものです。

だからといって、『うるおい』を得ようと、やみくもに高価な美容液やクリームをつけても効果はありません。

まずは「保湿のしくみ、メカニズム」を理解し、正しいスキンケアを心がけ、うるおいのある素肌を目指しましょう。

 

角質層(角層)で守られる肌のうるおい

角質層はわずか約0.02mm(サランラップくらい)の厚さの中に、角質細胞がブロックのように10~20層積み重なっています。

それらが、外部からアレルゲンなど異物の侵入を防いでくれ、同時に内部の水分の蒸発を防いでくれています。

また、手のひらや足の裏などは角層がとても厚く、物理的な刺激に強くなっています。

 

角質層の図
参考:http://themeupgo.com/557.html

 

水が浸透しない仕組み

肌には、水が簡単には浸透していきません。

たとえば、お風呂に入ったとき、全身から水が入ってきたら怖いですよね。

 

そうならないために、肌には外部からの異物の侵入をはばむバリア機能が備わっています

細胞同士を密着させ、水や異物が肌の中に入り込むのを防いでいるんですね。

 

ですから、化粧水などで肌の外側から水分のみを補給しても、角質層深部に入り込むことはありません。

そして、そのままにしておくと蒸発してしまいます。

蒸発する際に、角質層に含まれる水分を奪い、過乾燥となりかねませんので注意が必要です。

 

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肌の水分を保持するメカニズムとは?

角質細胞は、硬いケラチンというたんぱく質でできています。

しかし、人の肌を触ってみると柔らかいのは、角質層に約30%の水分が含まれているからです。

この水分がとても大事で、肌のハリなめらかさ柔らかさを維持するのに役立っています。

 

皮膚のうるおいを保つ3つの物質

皮膚のうるおい(水分量)を保つのに大事な3つの物質があります。

 

それは

  • 皮脂
  • 天然保湿因子
  • 角質細胞間脂質

です。

 

角質層に保持されている水分は

  • 2~3%を皮脂膜
  • 17~18%を天然保湿因子
  • 残りの約80%をセラミドなどの角質細胞間脂質

が保持しています。

 

これら3つの保湿因子は加齢などの原因で減ってしまいます。

そうなると角質層の水分が減少し、皮脂欠乏症になり、皮膚がひどく乾燥した状態になります。

 

保湿因子の一つ、皮脂の役割

両頬に手を当てる女性

 

皮脂は、顔の脂っぽさやべたつきの原因になると思われ、不必要なものだと考えられがちです。

しかし、顔の表面に出てくる皮脂膜は水分を保つために、なくてはならないものです。

 

皮脂膜は、汗と皮脂(皮脂腺から分泌される脂)が混ざり合ったものです。

これは天然のクリームといわれるほど、大切なものです。

 

  • 水分の蒸発を防ぐ
  • 表面を滑らかにする
  • 細菌の繁殖を防ぐ(皮脂膜内の脂肪酸が弱酸性にしてくれる)

 

という3つの大きな効果があります。

 

適度な皮脂の分泌が大事

皮脂の量が多ければ、水分は蒸発しにくくなります。

この分泌が少ないと、肌がざらついたり、かさついたりします。

 

しかし、逆に多すぎてもいけません。

肌が酸化してしまい、ベタつきが出てきます。

さらに皮脂が刺激物質になってしまうことで、炎症を招き、ニキビができやすくなります。

 

天然保湿因子が水分を蓄えてくれる

天然保湿因子とは『Natural Moisturizing Factor』のことで、NMFと略されます。

この天然保湿因子は、角化細胞(ケラチノサイト)が角化する過程で、アミノ酸から作り出されます。

 

天然保湿因子は

  • アミノ酸
  • 尿素
  • 乳酸
  • 塩基類

などで構成されています。

 

水分と結びつく性質があるので、角質層に水分を供給してくれます。

そのおかげで、角質層が柔軟性と弾力性を保つことができるわけです。

 

天然保湿因子 画像

参考:http://ameblo.jp/atopiclass/entry-11108023849.html

 

肌バリアとなる細胞間脂質の働き

角質細胞の構造は、ブロック塀のようなものだとイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

 

多数のブロックをセメントで固めて塀にするイメージですね。

ブロックが角質細胞、セメントが角質細胞間脂質です。

こうやって塀にすることで、内部の水分が蒸発するのを抑えてくれますし、外部の刺激からも守ってくれます。

 

角質層細胞の拡大図

参考:http://www.moltolice.co.jp/page050.html

 

角質細胞間脂質とは

角質細胞間脂質とは、角質層の細胞と細胞の間に存在する脂質のことです。

この脂質はセラミド(次項で紹介します)で構成されています。

 

この角質細胞間脂質はケラチノサイトが角化する過程で作られます。

成分は、セラミド類(スフィンゴ脂質の仲間)が半分で、残りは遊離脂肪酸、コレステロール、コレステロールエステルなど複数の脂質が占めています。

 

6つのタイプがあるセラミド、健康と美容に良いオメガ3

セラミドには、6つのタイプがあります。

 

今回の保湿に限っていうと、関係があるのは、

  • 外部刺激へのバリア機能を助ける、セラミド1
  • 保湿機能を助ける、セラミド2
  • 保湿機能とシワの深さを軽減する機能を持つ、セラミド3

です。

 

この中で、最も高い保湿機能を持っているのが、セラミド2です。

 

また、セラミド1はバリアの働きをしてくれるもので、必須脂肪酸であるリノール酸が含まれています。

このリノール酸(植物油、ゴマなどに多く含まれる)は摂取しすぎると、善玉コレステロールを低下させ、動脈硬化を引き起こすことが報告されています。

 

ですので、オメガ3(青魚に含まれるEPA、DHAなど)の油もバランスよく摂取する必要がありそうです。

オメガ3は健康にも、美容にも良い成分です。

 

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アトピー患者はセラミドが少ない

余談になりますが、アトピー性皮膚炎患者は、正常の3分の1程度しかセラミドの量がありません。

このことにより、角質層のバリア機能が低下し、アトピー性皮膚炎を発症するとされています。

 

他にも肌の乾燥に関係することが

美容液を手に取る女性

 

上に挙げた3つの物質の減少以外にも、肌を乾燥させる原因となるものがあります。

 

  • 熱い湯に長く浸かる
  • 脱脂力の強いボディソープで体を洗いすぎる

 

これをすると、皮脂と角質細胞間脂質が流れてしまうので、乾燥します。

 

また、外気や室内の乾燥も影響しますので、気をつけてください。

湿度でいうと、50%以下になると危険です。

 

更に、暖房の入れ過ぎなども皮脂欠乏症を引き起こす原因と考えられています。

つまり、肌は外的要因にとても左右されやすいということです。

 

まとめ

長くなりましたので、簡単にまとめておきます。

 

角質細胞内でNMF(天然保湿因子)が水分と結合

⇒ 角質細胞間脂質がしっかりと水分を抱き込む

⇒ 角質の水分は保たれる

⇒ 最も上にある皮脂膜が肌の表面を覆う

⇒ 水分蒸発を防ぐ(フタの役割)

 

 

簡単に言うと、このようにして、肌のうるおいが守られています。

どの部分が崩れても、肌のバランスは保たれません。

皮膚の構造を知り、しっかりと保湿できるように、肌の状態を整えましょう。

 

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