2024/10/11
甘い餡と、それを包む塩漬けの葉っぱが独特の味を形成する桜餅。
この記事では、由来や葉っぱの意味など桜餅の疑問とその回答を紹介していますよ。
Contents
桜餅はいつ食べるか?旬の時期は?
元々の由来(長命寺の説明で後述)からしても、桜餅の旬は花見の時期、つまり春(3~4月)です。
桃の節句がある3月のはじめ頃から、よく出回るようです。
とはいえ、最近はスーパーやデパートの地下食品売り場で一年中売られていますね。
また、桜餅は春の季語でもあります。
2種類ある桜餅の違い、名前の由来
桜餅と聞いて思い浮かべるものは大体、同じだと思います。
しかし、その思い浮かべたものには地域によって多少の違いがあります。
大きく分けて二つの種類があります。
長命寺(関東風)
1717(享保二)年(※)、今の東京都墨田区にある天台宗の寺院、長命寺の門番に山本新六という人がいました。
桜の季節、落ち葉の掃除に手を焼いていた新六は、ふと思いついて桜の葉っぱを塩漬けにし、薄い皮で餡を包んだものに巻いて門前で売り出したそうです。
隅田堤(現在の墨堤通り)は当時から桜の名所でしたから、花見のときには多くの人が訪れます。
その人々に桜もちがうけ、たちまち江戸のヒット商品となったそうです。
このことから、長命寺といえば桜餅のことも指すようになったといいます。
現在でも東京都墨田区向島5-1-14に、長命寺桜もちのお店はあり、店内で桜餅を食べることができるそうです。
※大岡越前守忠相が町奉行になった年であり、八代将軍徳川吉宗の時代です。
長命寺の特徴
- 葉っぱは1~3枚
- 餅の生地は小麦粉を焼いた皮
- 餡はこしあん
- 中身を葉で覆う、もしくは皮に沿う葉で包んでいる
スポンサーリンク
道明寺(関西風)
道明寺は関西風の桜餅のことです。
関西では、この桜餅が主流であり、『道明寺』または『道明寺餅』と呼ばれています。
元々、道明寺といえば、大阪の道明寺(現在の藤井寺市にある)で保存食として作られたという起源をもつ道明寺粉のことでした。
道明寺粉は、もち米を蒸して乾燥させ、粗挽きしたものです。
これを使って餡を包んだものが道明寺桜餅であり、転じてこのタイプの桜餅のことを(関東で)道明寺とも呼ぶようになったようです。
(関西では桜餅=道明寺桜餅なので、道明寺とは呼ばず、単に桜餅と呼びます)
見た目はぼたもちやおはぎのように見えます。
道明寺の特徴
- 道明寺粉を蒸して餅を作り、餡を詰める
- 葉っぱは1、2枚
- 餅は球状もしくは扁平
- 餅に弾力と粘りがある
- 餅の表面は粒味がある形
- 餅を葉の筋に沿って包んでいる、もしくは葉っぱを合わせて被せている
桜餅の葉っぱの意味
桜餅に巻かれている葉っぱは当然ですが、桜の葉です。
といっても、どの桜の葉っぱでも使われるというわけではなく、『オオシマザクラ』という種類のものが使われます。
大ぶりの葉っぱで表面に細かい毛がなく、香りの成分であるクマリンを多く含んでいるため、塩漬けにすると香りを楽しむことができます。
甘い餡とそれにアクセントを加える塩漬けの桜の葉っぱが、食欲をそそる良いバランスの味を生み出してくれているわけです。
また、葉っぱには餅そのものの乾燥を防ぐ役割もあります。
ちなみに、使われている葉っぱの70%ほどが伊豆半島の松崎町で生産されたものだそうです。
スポンサーリンク
桜餅を食べるときに葉っぱは食べるのか?
結論から言うと、人それぞれ好みによって分かれるようです。
周りの人に聞いてみたところ、ほとんど半々に分かれました。
というのも、私は関西住みなので、桜餅といえば道明寺しか知らないのですが、知人友人も同じくです。
実際のところ、桜餅(道明寺)はおはぎのような質感なので葉っぱが餅に引っ付き、取れにくくなっています。
それでも、葉っぱが苦手な人は何とか引っぺがして食べるようです。
逆に、葉っぱごと食べる人も面倒だからそのまま食べるという人が何人かいました。
一方、関東の知り合い数人に聞いてみると、こちらもほぼ半々くらいでした。
食べる派の人に聞くと、「そういう食べ物だから」という意見が二人から出てきました。
関東風の桜餅(長命寺)はクレープ状のもので包まれていて、その外に葉っぱが巻かれてあるので取りやすいようですね。
桜餅の葉っぱは食べても大丈夫?
食用のものなので、桜餅に巻かれている葉っぱは食べても問題ありません。
バニラにも似た香りがしっかりとしていて、塩漬けにしているため味も独特ですので、苦手な人は外して食べましょう。
また、体への影響ですが、桜の葉っぱに含まれていて香りの主成分でもある『クマリン』には抗酸化作用、抗菌作用、抗血液凝集作用があります。
過剰摂取をすると、肝毒性や腎毒性が懸念されます。
とはいえ、過剰摂取による毒性ということを言い始めると、砂糖も塩も、他の食材も摂りすぎて良いことはありません。
一日に何十枚も食べるのでなければ、全く問題ない量だと言えます。
まとめ
関東と関西で大きく見た目が違うことがわかって驚きました。
関西では長命寺を見ることが少ないのですが、関東では両方あるようですね。
ちなみに、私の母は九州出身ですが、桜餅といえば関西風のものが普通だと思っていたそうです。
ちょっと調べてみると関西以西の西日本は、関西風のものが主流のようです。
鳥取県の松江辺りを除けば、ほとんどが関西風のもののようですよ。
また北海道へは江戸から明治の頃にかけて運行していた北前船に乗って関西風桜餅が伝わったようです。
この辺りのことを詳しく調べてみるのも面白いかもしれませんね。
コメント
[…] 桜餅の葉は食べるの?2種類ある名前の由来と葉っぱの意味http://gotstyled.com/sakuramochi/甘い餡と、それを包む塩漬けの葉っぱが独特の味を形成する桜餅。この記事では、由来や葉っぱの意味 […]
by バレンタインデーの由来 元々、何の日なのか?起源と発祥を探る | 生活の知恵どっとこむ 2017年1月29日 3:40 PM