2024/10/11
乳腺炎については、恐らく一度は名前を聞いたことがあると思います。
ならない人は全くならないのですが、なる人は授乳中も卒乳後も悩まされることがあります。
できればおっぱいトラブルとは早めに縁を切りたいですよね。
今回は、乳腺炎の原因と症状、対処法についてまとめたいと思います。
Contents
乳腺炎とは? その原因
乳腺炎とは、母乳を分泌する乳腺が何らかの原因で詰まって炎症を起こした状態のことです。
乳腺炎には、2つの状態があります。
急性うっ滞性乳腺炎
乳腺の中に乳汁がたまることで起こります。
うっ滞(鬱滞)とは、液体状のものが流れずに停滞した状態のことを指します。
その原因で多いのは以下の3つです。
- 母乳の分泌量が多すぎる
- 赤ちゃんの吸引量が少ない
- 陥没乳頭などが授乳の障害になっている
つまり、母乳が作られているのに、外に出ないことが原因です。
この時点で適切な処置をしないと、化膿性乳腺炎になります。
化膿性(かのうせい)乳腺炎
乳腺が細菌感染し、激しい炎症を起こした状態です。
急性うっ滞性乳腺炎の症状から発展することもありますが、いきなりこうなる場合もあります。
原因としては、赤ちゃんの乳歯がママさんの乳首を傷つけることでなることが多いようです。
そこから細菌感染(主に黄色ブドウ球菌)して発症します。
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乳腺炎のツライ症状
胸が張ったり痛みを感じたりするほか、高熱を出して寝込むことも少なくありません。
人によっては40℃を超える高熱が出るなど、かなりツライ症状になります。
乳腺炎の初期症状
- おっぱい自体が熱っぽい
- おっぱいが赤みを帯びる
- おっぱいを押すと痛い
- しこりができる
- 熱っぽい、寒気がする、頭が痛む、関節痛が出るなど
- 腕を上げたり、赤ちゃんを抱っこすると胸周辺が痛い
- 母乳が半透明の白ではなく、黄色っぽくなる
急性うっ滞性乳腺炎の場合
おっぱいが張ったり、腫れあがったりし、じんじん痛む状態になります。
また、おっぱいの皮膚に浮き出ている静脈が広がったり、皮膚の色が青黒くなることもあります。
そして、乳頭から乳汁が漏れだします。
熱などの症状には個人差がありますが、比較的軽度です。
化膿性(かのうせい)乳腺炎の場合
化膿性乳腺炎になると、激しい症状が出ます。
おっぱいが赤く腫れあがり、かなり痛く感じると共に、熱くなります。
大きなしこりができることはあまりありませんが、感染の度合いが進むと膿(うみ)が溜まり、38℃以上の高熱が出ます。
また、脇の下のリンパ節が腫れ、痛むこともあります。
卒乳・断乳後の乳腺炎
この乳腺炎は、授乳中になることが多いのですが、卒乳・断乳の直後になる人も少なくありません。
授乳中は分泌しても赤ちゃんが吸い出すことで詰まらずにいる母乳が、断乳などによってその場に留まってしまうのですから、詰まりやすくなるのも当然です。
分泌量が減ってくるにつれて徐々に乳腺炎のリスクも減りますが、断乳直後などは特に母乳の分泌が盛んであるにもかかわらず、赤ちゃんに飲ませなくなるので、詰まりやすくなってしまいます。
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乳腺炎にならないための方法
乳腺炎にならないためには、適度に母乳を排出して、乳腺が詰まらないようにしてやる必要があります。
【対処法1】おにぎり搾りで母乳を出す
卒乳・断乳後や、赤ちゃんが飲む量より明らかに母乳の分泌量が多いとき、搾乳をしないといけません。
このときに、赤ちゃんが飲むように乳首だけをつまんで母乳を出すのはよくありません。
奥のほうの母乳がそれでは動きませんし、乳首を刺激することでさらに母乳の分泌を促してしまいます。
断乳後に母乳を絞る場合は、おにぎり絞りが基本です。片方の乳房をまず両手で包み、おにぎりを握るように力を加えます。
乳腺に刺激を与えないように、ゆっくり適度な力で絞るのがポイントです。これを両方行って、程よく母乳を出してあげましょう。
【対処法2】両方のおっぱいを均等に飲ませる
卒乳を考えてはいるものの、まだ授乳中の場合は意識してやってみてください。
普段からママさんの癖や利き腕の関係で、どうしても決まった抱き方をしてしまい、片方のおっぱいをあげてしまいがちです。
しかし、それでは片方のおっぱいに母乳が残ったままになってしまい、それが原因で乳腺炎を発症しかねません。
【対処法3】食事に気をつける
授乳や育児の疲れから、どうしても高カロリー、高たんぱく質なもの、または脂肪分が多いものを食べてしまいたくなります。
しかし、母乳がママさんの血液から作られることを思い出してください。
脂肪分を必要以上にとりすぎると血液がドロドロになり、その血液から作られた母乳が乳腺に詰まる原因となります。
そうなると乳腺炎になりやすくなりますので、気をつけてください。
授乳期のママさんに必要なカロリーは2100~2350kcalと言われています。
ですので、カロリー自体は減らさず、バランスのとれた食事を心がけましょう。
水分補給も忘れずに。
【対処法4】授乳中は胸を圧迫しない 卒乳後は母乳が止まるまで
おっぱいを圧迫することで、乳腺にも圧力がかかり、母乳が滞留する原因となります。
そのせいで乳腺炎になりやすくなります。
授乳中の方はワイヤーの入ったブラを避けてください。
卒乳後は母乳がちゃんと止まるまでワイヤー入りのブラをつけないようにしてください。
また、寝るときの姿勢も影響することがあります。
うつ伏せはもちろん、横向きに寝ていても乳腺を圧迫することがあります。
必ず仰向けに寝るように意識してください。
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乳腺炎かな、と思ったら冷やすことも
乳腺炎は乳腺の炎症ですから、なりかけるとその部分が熱を持ちます。
また、血管が浮くように乳腺が浮き出して見えることもあります。
早い段階で炎症を抑えられれば高熱が出ることは防げるので、まずはその部分を保冷材などで冷やして炎症がひどくならないようにしましょう。
また、断乳中であまり絞らないようにしているという人でも、乳腺炎の兆候があったらできるだけ絞って、詰まりを解消してやってください。
こまめなケアを
私の経験だと、乳腺炎になりそうなときは兆候があるのでわかります。
部分的におっぱいが固くなったり、熱くなったり痛みがあったりすると、「乳腺炎になりそう、これはやばい」というサインです。
その時点で、そこのしこりがなくなるまで母乳を出してやれば、たいてい熱を出すのは回避できます。
まれに自分ではわからないほど奥のほうで詰まったのか、熱が出て気づくこともありましたが、乳腺炎は本当につらいので、できるだけこまめにおっぱいをチェックして早めに炎症を取ってやるようにしましょう。
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