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そもそもストレスとは何か? 2種類あるストレス

time 2017/01/29

そもそもストレスとは何か? 2種類あるストレス

 

ストレスが「たまる」という感覚は多くの方が知っているのではないでしょうか。

イライラしたり、落ち込んだり、不安になったりと『ストレスがたまる』という状態は誰もが経験的に知っている感覚であり、理解できるものですよね。

 

とはいえ、ストレスという言葉が浸透したのはここ20年ほどのことです。

年配の方は昔からある言葉ではないとご存知のことだと思いますが、そもそもストレスとはどういうものなのでしょうか。

 

実体がない「ストレス」をどうやって理解するか

「仕事のストレスに耐えられない」「あの人の顔を見るだけでストレスがたまる」などと日常会話でも『ストレス』という言葉はよく使われます。

しかし、その実態が何であるかと考えると、うまく言葉にできない人も多いのではないでしょうか。

 

目に見えず、説明しづらいストレスは、人が共通して持っている、体験を取り巻く物事を説明するための構成概念です。

ストレスについて行われたさまざまな研究の結果、ストレスは下記の3つに分類されるようになりました。

  1. ストレッサ―・・・外から心に加わる力や刺激
  2. ストレス・・・それによって心が受ける影響
  3. ストレス反応・・・心が元に戻ろうとする働き

ストレスの構成図

 

三者の関係は、よくゴルフボールの例えで説明されます。

心身をボールと考えたとき、ボールに外部から加えられる力がストレッサ―、それによってボールが凹むのがストレスです。

 

凹んだ状態が続くと無理な力がかかって破裂してしまうので、ボールは元に戻ろうとします。

その作用がストレス反応です。

 

また、ストレッサ―は同じでもその感じ方には個人差があり、体質や心理、生活習慣などが大きく影響します。

 

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ストレスには身体的ストレスと心理的ストレスがある

ストレスとお腹に書いたシャツを着る男性

 

ストレスの原因は『身体的ストレス』と『心理的ストレス』という2種類に大別できます。

どちらも脳がストレスを感じ、体に影響を及ぼします。

 

身体的ストレス

身体的ストレス』は、体に直接負担をかけます。

ケガや病気をはじめ、暑さ・寒さ、暗さ・明るさ、食品添加物や酒、たばこ、花粉なども身体的ストレスです。

通勤電車や早朝出勤もこのジャンルですが、「まさに」と膝を打った方も多いはずです。

 

心理的ストレス

心理的ストレス』とは、心への刺激がもたらすストレスです。

一般的に『ストレス』という言葉から連想するものに近いと思います。

 

たとえば肉親や子ども、配偶者など身近な人の死や大きな怪我や病気、会社をクビになるといったことに影響されます。

こうしたライフイベント(日常で起こる単発の出来事)が起こると新たな環境に適応するまでに、心理的なストレスが生じます。

 

ライフイベントを得点化すると

このようなライフイベントを詳しく取り上げて研究したのが、心理学者のホームズとレイです。

配偶者の死を100として、他のライフイベントを得点化し、それぞれの体験の負荷を調べました。

それによると離婚は73解雇は47となっています。

 

興味深いのが、結婚や妊娠、優れた業績をあげるといったことも心理的ストレスに数えられていることです。

世間一般では「良い」とされることであっても、人の心は変化に適応するまでに時間がかかります。

ストレスを理解するためには、この点が非常に重要です。

 

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落ち込まないストレスもある?

パソコンの前で頭を抱えた外国人女性

 

上で紹介した2種類のストレスを別の視点で考えると、違った分け方ができます。

ここでは、ストレスに『どう立ち向かうか』という視点から考えてみましょう。

 

頑張る系ストレス

頑張る系ストレスは、ストレスから逃れるために積極的な対処をする必要があるものです。

たとえば営業ノルマや夏休みの宿題といったものです。

 

我慢する系ストレス

我慢する系ストレスは、ひたすら回避的な対処をとらなければならないストレスです。

職場でのお局様のイジメ、隣家の騒音などです。

 

ストレスには頑張る系ストレスで積極的に対処しよう

どちらのストレスもストレス反応は起こります。

頑張る系ストレスで積極的に対処した場合、交感神経が賦活されて血圧が上がるなどの心臓血管系身体的ストレス反応が強くなり、心理的ストレスはあまり強くは出ません。

一方、我慢する系ストレスの場合は不安や落ち込みなど、心理的ストレス反応が強くなります。

 

これらを振り返って考えると、ストレスに対して肯定的な解釈をすれば、心理的ストレス反応が起こりにくく、責任転嫁をするなど回避的な対処をすれば、どんどんストレスが高まるということになります。

 

まとめ

こうやってみると、必ずしも常にストレスフリーの状態が良いというわけではないことがわかりますね。

というより、過大なストレスでなければ、自身の積極的な行動で心理的ストレス反応を抑えることができるとわかります。

 

今回は2種類のストレス(身体的ストレスと心理的ストレス)があるということに加え、別の視点から見た2種類のストレス(頑張る系ストレスと我慢する系ストレス)を紹介しました。

 

ストレスを正しく知って、今自分がどういう状態にいるかということを意識すれば、対処法もわかるようになると思います。

最初のうちは難しいかもしれませんが、常にチェックしておくことで、早めにストレスへの対処ができるようになりますよ。

是非、意識してやってみてください。

 

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