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【あなたは大丈夫?】アルコール依存症とは 症状とチェック、治療方法

time 2016/12/03

【あなたは大丈夫?】アルコール依存症とは 症状とチェック、治療方法

 

アルコール依存症とは、お酒なしにはいられなくなる状態です。

常に、お酒を渇望し、それを中心に考えてしまうせいで、健康的な生活が送れなくなってしまいます。

 

アルコール依存症とは?

医学的に『アルコール依存症』と呼ばれる症状は、かつて『慢性アルコール中毒』(英語のAlcoholicを訳したもの)と呼ばれていました。

 

アル中』と俗に言われるのは、この『慢性アルコール中毒』を略したものだったようです。

しかし、自らの意志で飲酒しているため医学的には中毒ではなく、依存症と呼ぶべきだということで、今の名前で定着しつつあります。

 

大量のお酒を長期間にわたって飲み続けたせいで、お酒を常に渇望するようになるのがアルコール依存症です。

この状態になると、心身共に蝕まれ、仕事ができなくなり、また日常生活にも支障をきたすようになります。

 

具体的には、イライラや神経過敏、不眠、頭痛などの症状が出て、それを鎮めるためにアルコールを飲むために、悪循環に陥るようになります。

 

また、本人は世間体もあり、依存症であることを認めたがらないのが危険な点です。

 

アルコール依存症の症状

ワインとワイングラス

 

上述した通り、アルコール依存症になると、心身ともに影響が出ます。

以下のように、強い飲酒欲求を抑えられなくなります。

 

  • お酒を飲む状況でないときにも『飲みたい』と強く思ってしまう
  • 飲み始めるとついつい予定より多く飲んでしまう
  • 常にお酒が手の届くところにないと落ち着かない
  • 数時間ごとに飲酒してしまう

 

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アルコール依存症かどうかのチェック方法

CAGEというセルフチェック法()があります。

 

  • これまでに飲酒量を減らさなければならないと感じたことがあるか?(Cut down)
  • 他人があなたの飲酒を非難することが気に障ったことがあるか?(Annoyed by criticism)
  • 自分の飲酒を申し訳ない、悪いと感じたこと(罪悪感)があるか?(Guilty feeling)
  • これまでに朝酒や迎え酒を飲んだことがあるか?(Eye-opener)

 

この4つの設問に2つ以上当てはまると、アルコール依存症の可能性があります。

 

このCAGEはアメリカのノースカロライナ記念暴飲で飲酒行動の問題点を検出するため、1968年に開発されました。

 

量で言うと

どれくらいの量から飲み過ぎになるかは、個人差とも言えますが、一応の基準はあります。

 

厚生労働省のガイドラインでは、「適度な飲酒の量」を純アルコール量換算で1日20グラム以下であると定めています。(壮年男性の場合)

 

これを実際の飲酒量に換算すると、

  • ビール500ml
  • 日本酒1合弱
  • 25度焼酎300ml
  • ワイン6杯程度

ということになります。

 

意外と少ないので、驚いたかもしれません。

しかし、この量を毎日飲んでいる人はアルコール依存症に近づいていると考えてください。

できれば、週に1、2回は休肝日を作るようにしてください。

 

禁酒

 

アルコール依存症の離脱症状

アルコール依存症の離脱症状とは、アルコールが抜けたときに出る心身への悪い影響です。

主に、以下のような症状が出ます。

 

  • イライラ(神経過敏)
  • 不眠
  • 頭痛、吐き気
  • 手の震え
  • 発汗
  • 頻脈、動悸
  • 下痢
  • 幻聴、幻覚

 

大体、以上のような症状がアルコールが抜けた状態で7~8時間経つと出るようになります。(早期離脱症状)

 

治療方法

身体の前でバツを作る白衣の男性

 

基本的には、入院治療となります。

というのも、アルコール治療の最中に一度でもアルコールを摂取してしまうと、元に戻ってしまい、意味がなくなるからです。

 

ちなみに、入院治療は以下の3段階に分けられます。

 

①解毒治療

まず、心身に影響を与えている合併症の治療をし、アルコールの離脱症状を治療します。

 

②リハビリ治療

次に、個人精神療法集団精神療法を行ないます。

患者本人に現実を把握してもらい、断酒の決断をしてもらいます。

本人と家族に説明し、抗酒薬の投与を開始します。

また、退院後にもリハビリ治療を継続してもらうために、自助グループへの参加を勧めます。

 

③退院後のアフターケア

病院や専門クリニックへの通院を続け、抗酒薬の服用も継続するとともに、自助グループなどへの積極的な参加をしてもらいます。

 

抗酒薬

厚生労働省から認可されているのは以下の2つです。

 

◆ジスルフィラム(商品名:ノックビン)

帯黄色粉薬です。

効果が遅く、長続きします。

 

◆シアナミド(商品名:シアナマイド)

無色透明の水薬です。

効果が早く、(ジスルフィラムより)効果は短いです。

 

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アルコール依存症と鬱(うつ)の関係

現在、一部では社会問題となりつつあるアルコール依存症とうつ病の併発

うつ病となったことでアルコールに走ることもあれば、その逆にアルコール依存症のせいで、うつ病になるということもあります。

 

うつ病治療に使われる抗うつ薬や抗不安薬は、アルコールを摂取した状態では効きづらくなります。

ですので、うつ病を治したいと考えるなら、断酒する必要があります。

 

うつの主な原因であるストレスを感じ、飲酒することで気を紛らわそうと考えると、危険です。

「慢性的な意欲の減退」という鬱病の主な症状を食い止めようと更に飲酒してしまうようになります。

 

末期になると…

ジョッキに並々注がれた入ったビール

 

長期間にわたり、アルコールの大量摂取を続けると、確実に体を壊します

具体的には、肝機能障害(肝炎や肝硬変、、肝臓がん)、膵炎胃腸障害糖尿病脳炎などを引き起こします。

 

また、精神的にもうつ状態がつづくようになり、悪くすると自死を選ぶことになることもあります。

 

いずれにせよ、決して良い結果になりませんので、そうなる前に病院で治療することを考えてください。

 

まとめ

酒は百薬の長』と言われるように、適度に飲むのでしたら健康に良いとも言われます。

しかし、度が過ぎると薬も毒になります。

 

お酒が好きでも、一週間に1、2日は飲まないように、『休肝日』を作りましょう。

 

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