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【暮らしの中のお祝い③】初節句、七五三、入園入学

time 2016/11/26

【暮らしの中のお祝い③】初節句、七五三、入園入学

 

 

乳児死亡率が高かったその昔、「七つまでは神のうち」という言葉がありました。

少し怖いことを言うようですが、7歳になるまではちゃんと育つかわからない時期だと捉えられていたようです。

 

しかし、昭和の後期からそのようなことはなくなり、日本は現在、世界でも有数の医療大国となっています。

 

とはいえ、子どもが元気に成長することが嬉しいのは今も昔も変わりません

お祝いしたい気持ちになるのは自然なことですよね。

 

また、それは健やかに育ってくれた子どもへの感謝を表わすことでもあります。

もしかしたら、お子さんはそのことを覚えていないかもしれませんが、後で写真や映像を見ることがあるかもしれません。

そうすれば自分が大事に育てられたこともわかるはずです。

 

初節句

部屋の中に飾ったこいのぼり

 

初節句とは、読んで字のごとく、誕生して最初に迎える節句のことです。

女の子は3月3日の桃の節句男の子は5月5日の端午の節句に、母方の実家から贈られた節句人形を飾り、祝い膳でもてなすしきたりがあります。

 

女の子はひな人形、男の子はこいのぼり

初節句を迎える赤ちゃんの月齢はまちまちです。

 

生まれて1、2ヶ月で迎えるような場合は、赤ちゃんや母親の体調を考え、翌年まで待った方が賢明です。

節句人形などを贈られた場合は、飾るだけにとどめ、お祝いは翌年おこなえばよいでしょう。

節句の飾りは3週間前から飾り、節句後は早めに片付けます。

 

ひな人形や武者人形、こいのぼりなどの飾り物は、母方の実家が贈る習慣があります。

しかし、高価なこともあり、最近は双方の実家で折半して贈ることも増えました。

 

初節句の1ヶ月ほど前には届くように贈りましょう

最近は、住宅事情や趣味に合わせて子どもの両親が選べるよう現金を贈るケースも多いようです。

 

お祝いとお返し

桃の節句は、女の子の美しい成長と幸せを願って、ひな人形桃の花を飾り、ひなあられ菱餅白酒などを供えます。

 

男の子のすこやかな成長と立身を願う端午の節句には、武者人形こいのぼりを飾り、ちまき柏もちを供えます。

いずれも祖父母やごく親しい人を招き、内輪でお祝いします。

 

飾り物やお祝いを贈られた場合は、お祝いに招くことでお返しとなります。

ひなあられやちまきなどをお土産に渡すのもよいでしょう。

 

遠方の場合には子どもの名前で1ヶ月以内に「内祝」を贈りますが、その際、人形と共に撮影した子どもの写真を添えると喜ばれます。

 

2番目以降の子どものお祝いは?

次男、次女など、長子以降の子どもの場合も、同じように初節句のお祝いをします。

節句人形は長男・長女のものを飾っても構いませんが、小さな飾りや道具を買い足すなどにして、記念にするとよいでしょう。

 

また、2番目以降の子どもの初節句に招かれた場合、上の子どもがまだ小さいときは、その子へのお土産も用意しておくと喜ばれます。

 

初節句の基本データ

水引、のし:紅白、蝶結び、のしつき

表書き:「御祝」「初節句御祝」

金額:5千円~1万円

時期:当日招かれている場合は当日、それ以外は1週間前までに贈る

お返し:不要

 

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七五三

端午の節句を祝う男の子の後姿

 

七五三は子どもの厄年です。

 

成長の節目となる3、5、7歳の年の11月15日に氏神様にお参りして、子どもの成長を感謝し、幸せを祈るしきたりです。

昔は今よりも格段に乳児死亡率が高かったため、この節目となる時期に無事に成長してくれたことを祝うようになったようです。

 

子どもの健やかな成長を祝う

子どもの成長の節目となる年に、すこやかな成長を感謝して、氏神様にお参りするのが七五三です。

乳幼児の死亡率が高かった昔は、7歳までの子どもは「神の子」とされていました。

そして7歳になって初めて、社会の一員として迎えられたのです。

 

かつては数え年で祝うものでしたが、子どもが小さいうちは体力がないので、最近は満年齢で祝うことが一般的になっています。

男児3歳児と5歳(地域によっては5歳のみ)に祝い、女児5歳と7歳を祝います。

 

11月15日は「鬼宿日(きじゅくにち)」といって、鬼が自分の家にいる日とされ、鬼に邪魔されないうちに参拝する、という意味がありました。

かつては、参拝の後、子どもを連れて親戚や近所に挨拶回りをし、千歳飴や赤飯を配る習慣もありました。

しかし、最近は、この日を目安に前後の都合の良い日に行ない、参拝後は内輪だけでお祝いの食事を囲むのが主流となっています。

 

本来は衣装も年齢別に決まっていましたが、最近はあまりこだわりません。

また、祖父母から祝い着を贈られることもありますが、貸衣装を利用する人や、入園・入学式でも着られる洋装にする人も増えています。

 

参拝の前後に記念写真を撮る場合は、子どもが疲れて不機嫌な写真にならないよう、なるべく日をあらためるなど考慮しましょう。

 

七五三の時期は、神社も多忙なので、お祓いを受けたいときは早めに予約します。

料金が設定されていない場合は、白封筒に5千円程度のお礼を包みましょう。

表書きは子どもの名前と、その右肩に年齢を書き、「御初穂料」「御玉串料」とします。

 

お祝いとお返し

双方の祖父母が相談して祝い着を贈る場合もありますが、最近はご祝儀を包むのが一般的になっています。

お返しは必要ありませんが、子どもの名前で砂糖や菓子などの「内祝」をすることもあります。

 

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七五三の基本データ

水引、のし:紅白、蝶結び、のしつき

表書き:「御祝」「七五三御祝」「祝七五三」

金額:3千円~1万円

時期:祝い着を贈る場合は1か月前、それ以外は当日までに

お返し:不要。子どもの名前で「内祝」をすることも。神社へのお礼は白封筒に「御初穂料」「御玉串料」とする

 

 

 

入園・入学

学校の校庭で飛び跳ねる女の子

 

環境が変わって家庭や近所以外の世界が広がるという意味で、子どもにとって人生の大きな節目となる行事です。

また、親にとっても新たな付き合いが増えるという意味で、節目となりますね。

 

身内やごく親しい人が贈るお祝い

入園・入学・卒業は、基本的に内輪で祝う祝い事です。

身内以外の人は、ごく親しい間柄に限ってお祝いを贈り、友人・知人の立場なら、とくにお祝いを贈らなくても失礼にはあたりません。

ただし、長男や長女にお祝いを贈った場合、第2子以降の入園や入学にも同じようにお祝いをするのがマナーです。

 

また、子どもが受験していた場合は、合否とともに希望していた学校かどうかもさりげなく聞いておきましょう。

本人にとっては不本意な場合もありますから、添える手紙の内容にも気を遣います。

 

中学以降は本人の希望を第一に

お祝いには、これからの生活で使える実用品が適しています。

とくに、小学校の入学時には買いそろえなくてはならないものがたくさんあります。

贈る側はできるだけ先方の要望を聞き、必要なものを贈るようにします。

 

学校によっては規定の学用品があり、せっかく贈っても役に立たないことがあります。

そして、中学生や高校生は好みが難しい時期なので、配慮が必要です。

 

親しい間柄なら、予算を示して本人に選ばせてもいいでしょう。

相手の希望がわからないときは、現金や商品券、図書カードなどが無難です。

 

お祝いとお返し

お返しは原則的に不要です。

先方の子どもが入学や卒業をするときに、お祝いを贈ればよいでしょう。

 

お礼状は必ず出しましょう。

本人が小さいときには親が代筆し、子どもの描いた絵などを添えると喜ばれます。

 

中学からは、本人が直筆でお礼状を出すようにしましょう。

また、それほど親しくない方からいただいた場合や、先方に子どもがいない場合などは、いただいたお祝いの3分の1から半額程度の「内祝」を贈ります。

 

入園・入学の基本データ

水引、のし:紅白、蝶結び、のしつき

表書き:「御祝」「御入園(入学)」「ご入学おめでとう」

金額:小中高生なら5千円~1万円、大学生なら1~2万円(知人なら5千円)

時期:入園・入学の前後1カ月

お返し:不要

 

最後に

子どもが成長することは、両親にとってこの上ない喜びです。

また、周囲の人にとっては、喜んでいる家族・親戚の姿を見ると、やはりうれしいものです。

その機会に、この記事を参考にして是非、お祝いしてあげてください。

 

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