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あなたは大丈夫? 糖尿病の原因、症状、なりやすい人と予防法

time 2016/09/23

あなたは大丈夫? 糖尿病の原因、症状、なりやすい人と予防法

 

発症するまで気づきにくく、自覚症状が出る頃には病状が進行していることが多い糖尿病。

そのせいで、『サイレントキラー』などと不気味な別名で呼ばれることもあります。

 

まず最初に、こういう症状が出ていたら要注意という項目を紹介します。

 

この症状が出ていたら糖尿病になりかけているかも?

チェック項目を部位ごとに5つに分けています。

 

チェック項目① 全身に関して

  • 水を飲んでも飲んでも、喉がやたらと渇く
  • 疲れやすくなり、身体が常にだるく感じられる
  • 異常な食欲(慢性的な空腹感)
  • それまでより量を食べているのに、急にやせ始める
  • 体がむくむ(むくみやすくなった)
  • 食事中に汗をかく
  • 食後、耐え難いほどの眠気に襲われる
  • 性欲がない、もしくはほとんどない
  • 傷が治りにくい
  • 頻繁に立ちくらみするようになった
  • 便秘や下痢が続く

 

 

チェック項目② 足に関して

  • 季節に関係なく、つま先、指など末端が冷える
  • 季節に関係なく、足が妙に火照る
  • 季節に関係なく、足の皮膚が乾燥する
  • 何もしていないのに、つま先がピリピリする(しびれたような感覚)
  • つま先が痛い(怪我をしていないのに)
  • 水虫になった(足の皮がむけやすくなった)
  • 魚の目ができたり、タコができやすくなった
  • ふくらはぎをよく攣るようになった。(こむら返り)
  • 最近、足に怪我をしやすくなった
  • 足に怪我をしているのに気づかないときがある
  • 足が突然、痙攣する
  • 足の裏の感覚が薄い(もしくはなくなった)
  • 巻き爪になりやすくなった

 

実はこれらに関しては、糖尿病そのものが引き起こしているのではなく、【糖尿病性神経障害】の症状です。

この糖尿病性神経障害は、糖尿病の合併症の一つです。

 

血糖値が高くなることで、血液が流れにくくなり、身体の末端まで届きにくくなります。

そのせいで末梢神経に異常が出やすくなります。

 

そうなると、足の知覚がおかしくなり、感覚が薄れるせいで、怪我をしても気づかないことがあります。

そして、気づいたときには怪我の部分から細菌が入り、足が壊死してしまうこともあります。

 

チェック項目③ 皮膚に関して

  • 足が水虫になった
  • 陰部がかゆい

 

糖尿病になると、抵抗力が著しく下がるせいで、感染症にかかりやすくなります。

特に、白癬菌が繁殖しやすくなるせいで、水虫や陰部のいかゆみを引き起こします。

 

また、陰部のかゆみで言うと、特に女性の場合、尿が陰部に付着することでカンジダなどの真菌が繁殖することもあるようです。

 

  • 膝から下(手に出ることも)に水泡ができる

 

これは、『糖尿病性水泡』と呼ばれるものです。

火傷(やけど)をしたときのような水泡ができます。

 

 

  • 膝から下に橙色の斑点が出る

 

糖尿病性リポイド類壊死症』と呼ばれるものです。

特に、脚の脛(すね)に出やすいようです。

放っておくと、腫瘍になることもあります。

 

 

  • 顔や手のひら、足の裏、手足の指が赤くなる

 

糖尿病性潮紅』です。

末梢血管が損傷したせいで、こうなります。

 

 

  • 皮膚が壊死している(特につま先、足の裏)

 

糖尿病性潰瘍・壊疽』と呼ばれ、最悪の場合は足を切断しなければならないようになります。

足以外にもなりますが、気づきにくいことからつま先や足の裏が多いようです。

 

 

チェック項目④ 目に関して

  • 急に視力が下がった
  • 黒い小さな虫が飛んでいるように見える

 

目の水晶体が白く濁って見えにくくなることで、こういった症状が出ます。

血糖が増えた状態が続くせいで、その血糖が血液中にあるたんぱく質と結合してしまうせいです。

(たんぱく質の糖化といいます)

 

また、毛細血管の血流不足が原因で視力の低下が起こります。

 

チェック項目⑤ 尿に関して

  • おしっこに行く回数が増えた
  • 一度に出る尿の量が多い
  • 尿が泡立つ

 

喉がやたらと渇くようになるせいで、水分をいつもより多くとってしまい、結果として排尿の回数が増えます。

ですので、頻尿それ自体、また量が糖尿病のせいで起こるわけではありません。

 

泡が立つのは腎機能が低下し、糖尿病性腎症という合併症が起こった結果、たんぱく質とアルブミンが出てしまうせいです。

 

また、尿から甘い匂いがすることが、糖尿病のサインのように言われますが、それはメープルシロップ尿症という別の病気です。

確かに、血液中の血糖が排出されることで、その症状も出ますが、糖尿病それ自体の症状ではないということですね。

 

ですから、尿から甘い匂いがしなくても、糖尿病になっているということがあり得るわけです。

 

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糖尿病とは、どんな病気?

私たちの身体の中を流れる血液には、糖分が含まれています。

これを血糖といい、全身の細胞が活動するためには欠かせないエネルギー源です。

この血糖を上手く使えなくなる病気のことを『糖尿病』と呼びます。

 

血糖を使えなくなると必然的に、血糖値が上がります。

それだけですと、すぐに問題は起こらないのですが、この状態が続くと様々な合併症を発症することになります。

 

血糖値が高くなる原因によって、大きく1型(i型)と2型(ii型)に分けられます。

 

1型(i型)糖尿病とは?

こちらは比較的少ないタイプの糖尿病です。

典型的な例として、子どもの頃に発症しやすいものです。

 

特定の遺伝要因による自己免疫異常が原因です。

そのせいで膵臓からインスリンがほとんど分泌されなくなり、発症します。

ですので、生活習慣とは関係なく発症します。

 

そもそもインスリンの分泌量が絶対的に足りていないため、治療には、インスリン注射が欠かせません。

1型糖尿病はインスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島に対して自己免疫が働き、インスリン分泌が枯渇していく過程で発症します。

 

その他に、特殊な原因として膵疾患肝疾患による糖尿病、遺伝による糖尿病があります。

 

2型(ii型)糖尿病とは?

日本国内での患者の大多数は、この2型糖尿病です。

 

昔、ぜいたく病と言われていたイメージは、こちらの2型糖尿病のイメージだと思います。

『高カロリーな食事をたくさん摂る人 = 肥満』の人がなりやすいという連想からかもしれません。

 

発症しやすくなるのは、以下のようなことが原因です。

 

  • 血糖値が高くなりやすい体質
  • 長年、身体に良くない生活習慣を続ける
  • 上の二つの原因に加え、加齢、ストレスの影響で発症

 

これらのことから、代表的な生活習慣病と言えます。

ですので、中高年になると発症しやすくなります。

(近年は生活習慣の変化から、子どもの発症も増えているようです)

 

身体の中では大きく分けて2つのことが起こっています。

1つは、膵臓から分泌され、血糖値を下げるホルモンである『インスリン』が減少することです。

もう1つは、インスリンに対する細胞の感受性が低下することです。

 

つまり、必要な分のインスリンが足りていないせいで、高血糖になってしまうわけです。

 

そこでインスリンの分泌量を増やしたり、感受性を高めて血糖値をコントロールします。

その手段が食事療法運動療法薬物療法です。

 

その他の糖尿病のタイプ

  • ホルモンの分泌異常
  • 特定の遺伝子異常に基づく糖尿病

 

上二つは疾患として、珍しい部類に入ります。

 

それから女性特有のものとして、

 

  • 妊娠糖尿病

 

があります。

 

 

糖尿病の診断基準

血糖値とは血液1dL内に何mgの糖があるかを示す値で、食後には高くなり、空腹時には低くなります。

糖尿病でない人は、朝食前の空腹時なら110mg/dL未満食後でも140mg/dL未満と言われ、この数値を超えると糖尿病の疑いがあることになります。

 

病院で検査して出てきた数値になりますので、検査をうけてください。

この項では参考にしてもらうため、検査方法と指標を紹介します。

 

75g経口ブドウ糖負荷試験

空腹時にブドウ糖を溶かした水を飲みます。

2時間経つまで、30分毎に血糖値を計り、その血糖値で糖尿病の有無を判断します。

 

正常時、空腹時の血糖値が110mg/dL未満で、ブドウ糖を飲んだ2時間後の血糖値が140mg/dL未満であれば正常です。

 

これが、空腹時の血糖値126mg/dL以上で、更にブドウ糖を飲んだ2時間後の血糖値が200mg/dL以上であれば、糖尿病型と診断され、糖尿病の可能性が大であると言えます。

 

どちらにも属さない人は、境界型です。

糖尿病予備軍と言われ、経過観察の必要があります。

 

HbA1c(ヘモグロビンA1c)

HbA1cは、検査値です。

これは、過去1~2ヶ月の平均的な血糖値を表わす指標です。

 

血糖値は食事や運動により時々刻々と変化しますが、HbA1cはその影響を受けません。

この指標が6.5%以上で糖尿病型とされ、それに加えて血糖値も基準を超えていると糖尿病だと診断されます。

 

 

糖尿病の症状

上のチェック項目でも挙げていますが、それぞれの型でどういう症状が出るか簡単に分けておきます。

 

1型糖尿病

発症するのは子どもや若い人に多く、最初は風邪に似た症状が出ます。

その次に、のどが渇く尿が多くなる急激にやせるなどの症状があらわれてきます。

 

放置すると、ケトアシドーシス(※次々項で説明)になりますので、直ちに治療を受けてください。

 

2型糖尿病

自覚症状がないので、いつ発症したのかわからないことが多いようです。

(食後に血糖だけが上昇する糖尿病初期に自覚症状がないため)

 

そのせいで健康診断や、生命保険の加入時に発見されることがよくあります。

放っておくと合併症がすすんでくるので、必ず治療を受けましょう。

 

高血糖が続く場合、

 

  • 体重減少
  • 頻尿
  • 夜間尿
  • 尿の泡が消えない
  • 虫刺され・切り傷などの小さな傷が治りにくい

 

などの症状が現れます。

 

この状態を長期間放置していると、

 

  • 高血糖による昏睡が症状として現れ、
  • 身体の酸とアルカリのバランスが崩れる糖尿病性ケトアシドーシスに進行

 

することになります。

その場合、命に関わる急性合併症を引き起こす危険性があります。

 

糖尿病の代表的な合併症

また、糖尿病の慢性合併症の代表的なものとして、

 

  • 網膜症 ⇒ 失明の可能性
  • 腎症 ⇒ 腎不全に進行すると、人口透析が必要
  • 神経障害 ⇒ 足先指先の痺れ、傷ができても痛みを感じなくなり、感染症などを引き起す

 

などがあります。

 

糖尿病の発症から慢性合併症の発症まで5年ほどかかるといわれています。

この慢性合併症は早期発見で、進行を抑制できます。

 

ケトアシドーシスとは?

インスリンは、ブドウ糖を分解してエネルギー源として使うときに必要になってくるホルモンです。

これが不足すると、ブドウ糖の代わりに脂肪がエネルギー源として使われます。

そうすると、ケトン体という酸性物質ができます。

 

『ケトアシドーシス』とは、このケトン体が血中に増え、血液が酸性化した状態です。

体のさまざまな働きが低下し、それが進行し、重症化すると昏睡に陥ってしまう危険な症状です。

 

糖尿病になりやすい人

甘いものが好きな人は糖尿病になりやすいなどと言われますが、それは正しくありません。

 

1型と2型の糖尿病に共通することとしては、遺伝の影響が大きいということです。

ですので、家族(や近親者)に糖尿病になった人がいるのであれば、リスクが高いようです。

 

1型糖尿病になりやすい人

しかし、矛盾するようですが、1型糖尿病の患者の多くは家族に発症した人が少ないようです。

これはどういうことかというと、1型糖尿病は遺伝子が影響して発症する可能性が高いけれども、発症のキッカケがわかっていないことにあります。

 

つまり、1型糖尿病を発症した家族がいたとしても、必ずなるわけではなく、どのタイミングでなるかははっきりとわかっていないということです。

 

とはいえ、遺伝子が有力なようですが、他にもウイルス、自己抗体、食品(離乳食のタイミング)だという説もあります。

結局、はっきりとした原因がわかっていないので、対症療法に頼るしかないわけです。

 

2型糖尿病になりやすい人

日本人は圧倒的に2型糖尿病を発症しやすいので、むしろこちらを気にした方がよさそうです。

2型は、50歳以上で肥満気味もしくは過去に太っていたことがある人が発症しやすいようです。

 

ですので、2型を発症した家族がいて、肥満気味かつ50歳を超えている人がなりやすいと言えます。

 

また、炭水化物中心の食事、アルコール、ストレスなどは直接因子ではないようですが、進行を早める効果があるようです。

併せて気をつけてください。

 

糖尿病の予防法

3つ挙げます。

いずれも2型糖尿病の予防に有効です。

 

適度な運動

週に150分間、汗をかく程度の運動をしてください。

ウォーキングや自宅でできる軽い筋トレなどがいいでしょう。

 

2Lのペットボトルに水を入れてダンベル代りにするのもいい方法だと思います。

 

適度な食事量

いわゆる腹八分目です。

目安としては、おなかいっぱいの状態から200kcal分減らしてください。

 

ご飯軽く一杯分、小さな菓子パン1個分くらいが、この200kcalに当たります。

 

また、こういったダイエット食品で、置き換えダイエットをしてみるのもいいかもしれません。

 

3ヶ月で5%の減量

肥満気味の人は、3ヶ月で5%の減量を目標に体重を減らしましょう。

60kgの人でしたら、5%は3kg減らせば良いということになります。

70kgでしたら、3.5kgですね。

 

3ヶ月ですので、ハードな食事制限、無理な運動をする必要はありません。

腹八分目を心がけ、少し運動を増やすことで1ヶ月に1kgの減量は可能でしょう。

 

くれぐれも普段運動していないのに、いきなりジョギングを始めるのはやめてください。

疲労がたまり、怪我につながりやすくなります。

 

運動は軽いもの(ウォーキングや自宅での軽い筋トレ)から始めましょう。

 

まとめ

糖尿病の予防には、食事療法と運動療法が有効であることがわかっています。

また、発症後は

 

  • 1型ならインスリン注射が必須
  • 2型なら薬物療法も有効

 

であるということです。

 

生活習慣病である2型糖尿病に関しては、普段から身体を動かし、腹八分目を心がけることで予防できるので、意識してやってみましょう。

 

 

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