2024/10/11
プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション(筋弛緩法:PMR)は、身体の筋肉を順番に緊張させ、それをゆっくりと解放することで深いリラクゼーションを促す方法です。
このテクニックは、緊張が体にどのように影響するかを理解し、自分で緊張を解消する手段を身につけるのに役立ちます。
※現在、ケガをしている、持病などがある方は、事前に医師へご相談ください
Contents
PMR、どんな効果がある?
具体的には次の5つの効果があると言われています。
筋肉の緊張の緩和
PMRは、身体の各部位を意識的に緊張させ、その後リラックスさせることで、筋肉の緊張を効果的に緩和します。これにより、日常生活やストレス時に緊張しやすい筋肉のリラクゼーションを促進します。
ストレスと不安の軽減
PMRを継続的に行うことで、心身の緊張が解消され、ストレスや不安を軽減する効果があります。特にストレスによる身体的な緊張が強い場合に効果的です。
睡眠の質の改善
PMRは、就寝前に行うことで、深いリラックス状態に入りやすくし、睡眠の質を向上させる助けになります。特に寝る前に練習することで、安眠を促進する効果があります。
集中力と注意力の向上
PMRを定期的に行うことで、集中力や注意力が向上することが報告されています。身体がリラックスしている状態であれば、精神的な集中がしやすくなるためです。
身体の疲労回復
運動や日常の活動によって疲れた筋肉を、PMRによって緩めることで、身体の疲労回復が促進される効果があります。特に運動後や長時間の座り作業の後に効果的です。
やり方、コツ
- 目を閉じ、筋肉の緊張と弛緩を繰り返します
- その状態に意識を向けて、一番弛緩する状態を認識する
- その状態を自発的に制御し、再現することで筋肉の疲労などを緩和させる
行う部位は全身全てでなくてもよいので、まずは気になっているところをやってみてください。
以下に、プログレッシブ・マッスル・リラクゼーションの一般的な手順を説明します。
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手順① 準備
静かで落ち着いた場所で行います。
快適なポジションに身を置き、服装や環境がリラックスできるものであることを確認します。
手順② 緊張の始め方
一般的には、足の指から順に身体の下半分から始めていきます。
例えば、足の指を強く握りしめ、そのまま10秒間緊張させます。
このときに、緊張がどの部分に感じられるかを意識します。
まずは練習として、足の指からやってみてください。
手順③ 緊張の解放
緊張を解放することで、その部分の筋肉のリラクゼーションを感じます。
たとえば、拳を握りしめていたとしたら、握りしめた指をゆっくりと開放し、筋肉を緩めます。
この過程で緊張が解消される感覚を意識します。
手順④ 次の部位へ移る
足の指から順に、脚、お尻、腹部、胸、腕、肩、顔の筋肉といった具合に、全身の筋肉を順番に緊張させ、それを解放します。
各部位で緊張と解放を行う際には、ゆっくりとした呼吸を保ち、意識を集中させます。
手順⑤ リラクゼーションの感覚を楽しむ
全身を緊張させた後、全身がリラックスした感覚を楽しみます。
この段階では、深い呼吸を行い、全身のリラクゼーションを感じることに集中します。
各部位の力の入れ方
- 肩・・・耳まで持ち上げるイメージで肩をすくめる
- 手と腕・・・手と肘を顎の高さに上げ、拳を握ると同時に上腕に力を入れる
- 腹部・・・腹筋に力を入れる
- 脚・・・椅子でも床でも座っている状態で脚を伸ばし、太ももに力を入れる。つま先をスネに向かって反り返らせ、ふくらはぎの筋肉に力を入れる。(つりそうなら無理をしない)
顔の筋肉は、
- 額・・・眉をできるだけ高く上げる
- 目・・・かたく閉じる
- 頬・・・口角を上げて笑顔を作る
- 口、顎・・・口を大きく開けてキープ
という具合でやってみてください
プログレッシブ・マッスル・リラクゼーションは、緊張とリラクゼーションの対比を通じて、身体的な緊張を解消し、心の安定をもたらすことを目的としています。
この技法は、ストレス管理や不眠症の改善、さらには筋肉の緊張による身体の不調の緩和に効果的です。
※本記事は専門的な医学アドバイス、診断、治療の代替となることを意図していません。現時点で気になる症状などある場合は早めに医師の診察を受けることをおすすめします。