2024/10/11
睡眠不足は美容の敵。
昔からそう言われていますので、ご存知ない方は少ないと思います。
しかし、睡眠不足が引き起こす悪影響はそれだけではありません。
代表的なものを6つまとめましたので、ご覧下さい。
Contents
太りやすい体質になる
睡眠不足によりホルモンバランスが崩れます。
そうなると、以下のような悪影響があります。
- コルチゾールの過剰分泌 ⇒ 脂肪を蓄えやすくなる
- グレリンの過剰分泌 ⇒ 食欲を増進させる
- グルカゴンの分泌不足 ⇒ 脂肪燃焼ができにくくなる
気分が落ち込みやすくなる
これは体感している方も多いと思いますが、科学的に証明されています。
脳の中で、ポジティブな記憶は『海馬』という部分が処理します。
対して、ネガティブな刺激を『偏桃体』という部分が処理します。
そして、海馬は睡眠不足の影響を受けやすいということが判明しています。
ですので、睡眠不足になると、楽しい(ポジティブな)記憶は思い出しにくく、ツライ・悲しい(ネガティブな)記憶は思い出しやすくなるということです。
カリフォルニア大学バークレー校で行なわれた実験があります。
睡眠不足の学生たちに単語リストを覚えさせました。
すると、『癌』などのネガティブな意味の単語を81パーセント記憶できたのに対し、『日光』『バスケット』などのポジティブな意味の単語は31パーセントしか記憶できなかったそうです。
集中力や決断力を要する仕事に重大な影響を与える
24時間寝ずにいるか、毎日5時間のみの睡眠しかとらないでいると、集中力・判断力が血中アルコール度0.1%の状態とほぼ同じなのだそうです。
血中アルコール度0.1%というのは、ほろ酔い~軽い酩酊くらいの症状です。
確かに酔っていては正しい判断はできませんよね。
スポーツのパフォーマンスに悪影響がある
実は睡眠不足でも身体的にはさほどパフォーマンスは下がらないようです。
「Europea Journal of Applied Physiology」という学術誌に投稿された論文に、興味深い実験結果がありました。
ある人が、それぞれ別の日に、睡眠を十分にとったときと、徹夜明けのときで、ランニングマシンで30分走ってみたそうです。
その結果、睡眠を十分にとったときは平均6.21km。
それに対して徹夜明けときの平均は6.04kmだったそうです。
つまり、誤差程度しか変わりないのです。
では、何が問題かと言うと、少なくとも以下の二つが必要な種目で大きな差が出ます。
- 高度な判断を必要とする種目(敵、味方が入り乱れて行う球技など)
- 高い集中力が必要な種目(的を狙う競技など)
また、睡眠不足のときは怪我が多くなると言われます。
これも、判断力の欠如によるものだと考えられています。
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風邪にかかりやすくなる
これは言われなくても体感でわかっていると思います。
体が疲れているときは風邪にかかりやすくなります。
実際の実験でもそれが証明されています。
医学専門誌『Arch Intern Med』に発表された研究です。
健康な被験者、153名に風邪の原因の『ライノウイルス』を与えてみたところ、睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上の約3倍も風邪にかかりやすかったそうです。
ついつい夜更かししてしまいがちですが、やはり眠れるときに眠っておくことがとても大事なことだということですね。
脳卒中の危険性が約4倍になる
脳卒中とは、脳内の血管が詰まったり、破れたりして血液が供給できなくなり、脳組織が傷ついてしまう病気です。
脳梗塞や、くも膜下出血もこの脳卒中に含まれます。
最悪の場合、死に至る恐ろしい病気ですが、一晩の平均睡眠時間が6時間以下の状態が続くと、この脳卒中の危険性が約4倍になるという研究結果が出ています。
脳卒中と言えば、BMI指数(肥満度指数)が高い人や、睡眠時無呼吸症候群の人が予備軍であると知られていますが、睡眠不足でもその危険性が高まるということです。
また、間接的に、ですが、1で紹介したように、睡眠不足で太りやすくなるので余計に注意が必要ですね。
悪いことに成人の30パーセントほどが平均睡眠時間6時間以下という統計が出ていますから、当てはまる人は気をつけてください。
まとめ
何となくわかっていたことでも、実験結果としてちゃんと立証されているとなると、睡眠不足が恐ろしいということがわかりますよね。
しかし、これだけ悪い影響があるとわかっていても、忙しい現代人にとって睡眠不足というのはなかなか解消できないものです。
では、やむなく睡眠不足になったとき、どうすればいいかということを別の記事にまとめていますので、参考にしてください。